タイムセンシティブネットワーキングとは?

Time-Sensitive Networking

TSNは、あらゆる業界において注目されています。これまで存在し得なかった全く新しいアプリケーションのためのリアルタイム通信の特性を提供することができます。

タイムセンシティブネットワーキング (TSN)は、イーサネットネットワークにおけるリアルタイム通信を実現するために設計された一連のテクノロジ―と基盤です。 産業オートメーション、アビオニクス、自動車搭載システムなど、低遅延、高信頼性、リアルタイムを必要とするアプリケーションのソフトウェア開発において重要な要素となっています。

TSNは、イーサネットネットワークにおけるリアルタイム通信を実現するために、以下のような様々な技術やテクノロジーを活用しています:

  • 時間の同期: TSNは、IEEE 1588や802.1ASなどのプロトコルを使用して、ネットワーク上の異なるデバイスのクロックを同期させ、すべてのデバイスが時間の共通参照点を持つことを保証します。これは、データが正しい時刻に送受信されることを保証するために重要です。
  • サービス品質(QoS): TSNは、プライオリティベースのスケジューリングやトラフィックシェーピングなどのQoSメカニズムを使用して、タイムクリティカルなトラフィックがネットワーク上の他のトラフィックよりも優先されることを保証します。これにより、待ち時間を短縮し、時間的制約のある通信の信頼性を向上させることができます。
  • 冗長性:TSNは、冗長リンクとラピッドスパニングツリープロトコル(RSTP)やマルチスパニングツリープロトコル(MSTP)などのプロトコルの使用をサポートし、タイムクリティカルなトラフィックに複数の経路を提供し、ネットワークの信頼性を高めます。
  • セキュリティ: TSNは、暗号化および認証プロトコルの使用など、時間的制約のある通信のセキュリティを確保するためのメカニズムを含みます。

TSNは、リアルタイム通信を必要とするアプリケーションのソフトウェア開発において、低遅延かつ高信頼性でデータを送受信できるシステムを設計することができるため、重要な要素となっています。また、産業用制御システムにリアルタイム通信を組み込むことを可能にする、IIoT(Industrial Internet of Things)の重要な構成要素でもあります。

低遅延と高信頼性とは?

リアルタイム通信が要求されるアプリケーションで使用されるコンピュータシステムやネットワークでは、低遅延と高信頼性は重要な要素です。

  • 低遅延: システムやネットワークがリクエストやイベントに応答するのにかかる時間のことです。産業オートメーション、アビオニクス、金融システムなど、リアルタイムな応答が重要なアプリケーションにおいて、考慮すべき重要な項目です。低遅延システムは、リクエストやイベントに対して迅速に応答することができ、システムの効率とパフォーマンスを向上させることができます。
  • 高信頼性: システムやネットワークが、故障することなく本来の機能を発揮する能力のことです。輸送システム、医療機器、発電所など、ダウンタイムや故障が許されないアプリケーションでは、重要な検討事項です。高信頼性システムは、継続的かつ安定的に動作することができるため、システムの安全性と信頼性を向上させることができます。

低遅延と高信頼性は多くの場合は相関性があり、リクエストやイベントに対して素早く反応できるシステムは、より高い信頼性も必要とします。しかし、低遅延でなくても高信頼性であることは可能であり、その逆もまたしかりです。

イーサネットネットワークとは?

Ethernet

イーサネットは、最も広く使われているネットワークテクノロジーです。

イーサネットは、ローカルエリアネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)上で機器を接続するために使用されるコンピュータネットワークテクノロジ―の一種です。世界で最も広く使われているネットワークテクノロジーで、家庭や企業などの組織でコンピューター、サーバー、プリンター、ルーターなどの機器を接続しています。また、産業用オートメーション、輸送、その他リアルタイム通信が必要なアプリケーションでも使用されています。

イーサネットネットワークでは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)と呼ばれるプロトコルを使用して、ネットワーク上でデータ送信を行います。このプロトコルは、ネットワーク上の機器がデータを送信する前にネットワークトラフィックをリッスンし、2つ以上の機器が同時にデータを送信した場合に衝突を検出して処理することができます。

イーサネットネットワークは、その速度、到達距離、接続可能なデバイスの数によって特徴付けられます。一般的なイーサネットの速度は、10メガビット/秒(Mbps)、100Mbps、1000Mbps(1ギガビット/秒、1Gbpsとも呼ばれる)です。また、イーサネットネットワークは、ローカルエリアネットワークとワイドエリアネットワークのように、その距離と接続できる機器の数によって分類することもできます。

ウインドリバーのアプローチ

VxWorks

VxWorks は、最も複雑で安全性が重要なアプリケーションで
実証されています。

VxWorks:業界をリードするインテリジェントエッジ対応リアルタイムOS

VxWorks®はTSNを実現し、スイッチドイーサネットネットワーク上で制限時間またはレイテンシ内でのリアルタイム通信とパケット配信を保証します。VxWorksは低遅延と最小ジッタを実現するディターミニスティックかつプリエンプティブな優先度ベースのRTOSです。将来のアップグレードを考慮したアーキテクチャを基盤としているため、変化する市場ニーズや技術の進化に柔軟に対応できます。

VxWorksは、C++17、Boost、Rust、Python、pandasなどをサポートする唯一のRTOSであり、エッジに最適化されたOCI準拠のコンテナエンジンもサポートしています。慣れ親しんだ言語やツールをお使いいただけるため、生産性やコードの移植性が高まります。

Vxworksの主な機能
  • 信頼性と性能: VxWorksは、地球上また火星上でも最初のRTOSとして、最高レベルのパフォーマンスを提供します。
  • セキュリティ: 接続された世界でデバイス、データ、知的財産を効率的かつ効果的に保護するために、VxWorksは、Wind River®Security Servicesの提供や開発プロセスとの統合により、業界全体の厳しいセキュリティ要件を満たす包括的なセキュリティ機能セットを提供しています。
  • 安全性: VxWorksは安全性に配慮して開発されています。厳密なテストが行われ、特定の規制要件を満たすことが証明されています。
VxWorksの利点
  • リアルタイムかつディターミニズム
  • 安全、セキュア、認証の取得が可能
  • 幅広いハードウェアをサポート
  • コンテナへの対応
  • AI/ML 対応
VxWorksがもたらす可能性

主な製品と特長

  • VxWorks: クリティカルなインフラストラクチャ向けに最も広く信頼され、デプロイされているRTOSです。
  • VxWorks Cert Edition: VxWorksに安全認証のエビデンスオプションを追加し、規制の厳しい業界における認証プロセスの迅速化を支援します。
  • VxWorks 653: 安全認証とARINC 653への準拠を必要とする統合化アビオニクス(IMA)システムソリューション向けに設計されており、クリティカルな航空アプリケーションを単一のコンピューティングプラットフォーム上に統合可能です。

»詳細はこちら